広島県無形民俗文化財「備後田尻荒神神楽」で4年に1度行われる「式年大神楽」が高島小体育館で行われました。竹で囲った神楽の舞台を設け、悪魔払いに始まり、菅原道真をモチーフとした「天神の臣」、2枚の盆を手に舞う「盆舞」、京・五条の橋で牛若丸が弁慶を打ち負かす「牛若丸」、4人の皇子と太夫が舞う「剣舞」など15演目を保存会のメンバーと小学生約三十人が、午後1時半から約8時間かけて上演しました。

田尻荒神神楽は、寛文9年(1699)の棟札が存在していることから350年以上前からの歴史があるとされ4年ごとの荒神社の式年に当る年(寅・午・戌)の晩秋に大神楽が舞われています。

備後田尻荒神神楽は神歌が美しく、舞や衣裳に古型を伝え、備南地方の荒神神楽の諸特徴を確実に継承し、この地方の地域的特色を示す民俗芸能として貴重であるとされています。
350年の歴史上初めて、大人の女性の舞子として里の中山由子さんが舞台に上がりました。

「剣舞」です。わずか2畳ほどの舞殿で、巧みにすり抜けるように技の舞を展開します。

菅原道真を題材とした「天神の臣」より。
万才の権(藤原時平)(左)とその従者、権兵衛(右)。
万才の権に騙され大宰府に流された菅原道真。帝に無罪を奏上するため都に上る途中、万才の権を討ち取ります。その一幕。従者の権兵衛が暴走するという面白おかしいやり取りで笑いを誘いました。
神集めの巻物を拝読しながら舞う「神代の巻」。
「盆舞」。2枚の盆を落とさないように舞います。左で見ているのはデンギ。
このあと真似をしながら面白おかしい舞を披露しました。
「牛若丸」。幼いころに両親を討たれた牛若丸。親の仇を討つため鞍馬山に登り武術修行を行います。写真は大天狗様に武術の手ほどきをお願いしているところ。このあと小天狗にも手ほどきを受け、今日の五条の橋で弁慶と戦います。
こちらも「牛若丸」のワンシーン。
話が分かるとまた違った見え方になります。
神楽は古事記を題材にしたものが多く、日本の歴史の勉強にもなります。
子供から年配の方まで、世代を超えて一緒に楽しめる神楽です。
演目は以下の15種
1.白蓋神事
2.神殿清の舞
3.天神の臣
4.神代の巻
5.盆舞
6.牛若丸
★子供神楽★
7.八岐大蛇
8.剣舞
9.頼朝公
10.小弓狩り
11.四本舞
12.岩戸の舞
13.日本武尊
14.素戔嗚の命
15.皇子の舌舞
16.皇子