コロナウイルス感染抑止のために一時閉館しておりました田尻民俗資料館が再開しました。毎日曜日の9時から16時開館しています。
田尻民俗資料館には、1000点を超える多岐にわたる生産生業に関する用具が体系的に集められています。漁具、農具を中心とした収蔵品から田尻のみならず半農半漁に生きた沼隈半島、備後地区の江戸期か昭和までの内海沿岸の産業と庶民の生活を想像することができる稀有な資料館です。住民が交代で維持管理を行なっています。
民具などの多くは田尻の家庭から寄贈を受けたものです
昭和になっても江戸期とさほど変わらない道具が使われていたことがわかります
いまだに現役で使われているような機器も
田尻民俗資料館について(県指定有形民俗文化財 昭和51年:1976年6月29日指定)
田尻町は瀬戸内海に面し、かつては半農半漁の生活が営まれた地である。収集された用具はいずれもこの土地の人々の生活文化を示す資料である。
田尻の農家の経営規模はきわめて零細であったため米麦生産以外に藺草【いぐさ】・綿などを作り、その加工品製造を副業とし、また漁業を兼業または副業として営むことが多かった。こうした生産・生業・生活を裏づける衣・食・住をはじめ,畳表生産・染織・養蚕関係・農耕関係・浅海漁業の特徴的な磯具・釣具および網具が体系的に集められ、これに祭祀・信仰用具を加えたもので、いずれも内海沿岸の庶民生活史を物語る貴重な資料である。県指定物件は生産生業関係724点、衣・食・住関係243点、その他55点である。