田尻の未来を考える会ではソフトバンクが行う「福山市における民間主導のMaaS活用事例創出プロジェクト」(MaaS=Mobility as a Service:いろいろな手段でモノ・ヒトが移動したり運んだりする)実証実験に協力しました。
「しおまち海道」の要所である田尻を拠点に、ソフトバンクとトヨタ自動車の共同出資会社のMONET Technologies(モネットテクノロジー)社のマルチタスク車両をつかって、モノ・ヒトを運び、サービスを提供するというものです。本日のプロジェクト全体の行程は上の図のとおりです。現在、多くの市町でオンデマンド交通の発展形として多様な社会実装証実験が行われています。今回福山で行われたこの実証実験プロジェクトにはサービス事業者として祥和会大田記念病院、ププレひまわり、エブリイ、iti SETOUCHIが参加し、地域団体としては田尻町の「田尻の未来を考える会」が唯一参加しました。今回の実証は医療特化とか販売特化ではなく、マルチタスク車両の利点を活かしプロジェクトに多様なミッションを盛り込んでいるのがポイントです。この実証実験において、田尻の未来を考える会は、①田尻から福山市内への柔軟な人の往来支援の可能性の検証、②田尻で育てた農産物の柔軟な輸送方法の検証、の2点で協力しました。田尻の未来を考える会から派生した「田尻イタリア野菜シンジケート」では農家が野菜を直接お店に納品しており、この負担をなんらかの方法で軽減できないか考えていたところです。

午前7時、鞆から福山大学に通う学生1名を載せた車両が田尻民俗資料館に到着しました。田尻からは福山明王台高校に通う高校生3名と葦陽高校に通う高校生2名が乗り込みます。
あわせて田尻で育てられているイタリア野菜を農家がここまで届け積み込みして、出発しました。今回運ぶ野菜は人気のパプリカ「ぐらんぴー」と「カリーノケール」の2種、田尻イタリア野菜シンジケートの2大人気野菜です。
高校生を明王台高校と葦陽高校に降ろし大学生を福山駅に送り、その後、イタリア野菜を今回の納品先であるiti SETOUCHIに届けました。上中谷店長に直接納品の様子です。売り場はこのような感じです。
野菜の配達後、マルチタスク車両は祥和会大田記念病院が主体で実施される医療MaaS実証実験に移りました。車両の座席レイアウトを医療MaaS仕様に変更し、高齢のご夫婦を迎えに行き、車両と大田記念病院を繋いでオンライン問診、処方箋発行、薬の受け取りのまでの一連の実証実験が行われました。
医療MaaS実証終了後の夕方には、朝送った高校生5名を学校に迎えに行き、田尻まで送りとどけて今回の実証実験プロジェクトは無事に終了しました。
今日の実証実験を通じて、本企画は田尻のような里山里地地域と非常に相性のいいプロジェクトであることが良くわかりました。もっとさまざまな視点でのテストをしてみたら良いと思います。里山と里海に恵まれた地域で多様な世代が交流しながら暮らす田尻では今後ヘルスケア領域での実験にも参画していきたいところです。
おまけ。iti SETOUCHIのスーパーマーケットneed the placeに並んだ田尻のイタリア野菜をちょうど福山に出張中の小林史明代議士が購入。このあと新幹線で東京に持ち帰り、スタッフの皆さんで料理して食べるとのこと。田尻の朝採れ野菜が夕方には東京に。多様な移動手段を組み合わせて地域の食材を輸送するMaaSはこれで完結しました。
翌11月18日の中国新聞に掲載されました。