田尻町は福山市の南部、瀬戸内海沿岸に面し福山市中心部と景勝地として名高い鞆の浦とのちょうど中間に位置し、南北約3キロ、東西1.5キロ、面積4.7キロ平方メートルの地域です。西と北は山の稜線で熊野町と水呑町に境界し、東は燧灘、南は田尻灘を経て鞆町に接続しています。古来より山と海に囲まれた美しい牧歌的な農業と漁業の集落を成してきました。風光明媚、気候温暖で山の幸・海の幸に恵まれた環境が田尻の風土を形成しています。また豊かさと地理的隔絶生ゆえの独立性・保守性も強く、個性的な民族風土を形作っています。いまでは専業の農業・漁業従事者はごくわずかとなっていますが、農耕・漁労生活にまつわる年中行事や祭事、芸能等がよく保存されています。