人口推移

人口と世帯推移 2010年〜2020年〜2030年
高齢者(65歳以上人口増加グラフ) 2010年〜2020年〜2030年
高島小学校生徒数 2010年〜2020年〜2030年

田尻町の概要

田尻町は福山市の南部、瀬戸内海沿岸に面し福山市中心部と景勝地として名高い鞆の浦とのちょうど中間に位置し、南北約3キロ、東西1.5キロ、面積4.7キロ平方メートルの地域です。西と北は山の稜線で熊野町と水呑町に境界し、東は燧灘、南は田尻灘を経て鞆町に接続しています。古来より山と海に囲まれた美しい牧歌的な農業と漁業の集落を成してきました。風光明媚、気候温暖で山の幸・海の幸に恵まれた環境が田尻の風土を形成しています。また豊かさと地理的隔絶生ゆえの独立性・保守性も強く、個性的な民族風土を形作っています。いまでは専業の農業・漁業従事者はごくわずかとなっていますが、農耕・漁労生活にまつわる年中行事や祭事、芸能等がよく保存されています。

はねおどり
はねおどり

田尻町には別中、里、太浜、中東、西中の5つの町内会があり、この代表からなるまちづくり推進委員会、その他小学校PTA、各町内会こども会、各種振興会、芸能保存会、体育会、老人会など多数の組織が存在しています。 田尻の行事や風習は田尻の中心的な存在である八幡神社および各地域に根ざした神社の神事と密接に関わっており、地域の人達は子供のころから「神楽」「はねおどり」を身近に体験しています。また田尻地域の住人が通学する福山市立高島小学校は140年を超える歴史があり、住民の殆どが高島小卒業生です。町民運動会をはじめ各種行事についても小学校と地域が深く連携して行われているほか、子育てを各家庭と地域・町内会と学校が連携して行うというサイクルが自然に出来上がっています。

田尻町全体に関係する主な行事

4月

・育成会(5町内会子育て世代組織)総会 
・福祉を高める会総会 
・町内会連合会総会 
・交通安全自治総会 
・体育会総会 
・まちづくり推進委員会総会

5月

・グラウンドゴルフ大会
・町内一斉清掃
・消防協会総会
・芸能保存会総会
・高島小学校PTA資源回収
・田尻ばらまつり

6月

・グラウンドゴルフ大会
・町内一斉清掃 
・消防協会総会 
・芸能保存会総会 
・高島小学校PTA資源回収 
・田尻ばらまつり

7月

・軟式野球大会 
・福山トライアスロン(田尻として運営ボランティア協力)
・歴史民族史料館総会
・卓球大会

8月

・町内一斉清掃
・敬老会

9月

・町内一斉清掃
・敬老会

10月

・八幡神社祭典
・諏訪神社祭典
・町民運動会
・PTA資源回収

11月

・高島小学校学習発表会
・鞆の浦駅伝(田尻として運営ボランティア協力)

12月

・田尻なんきん祭

1月

・歩け歩け大会

2月

・ウォークラリー

3月

・菜の花まつり 
・あんずまつり

あんずと田尻

年表

田尻町の杏の生産量は長野県の更埴市についで日本第2位とされています。天和元年(1681年)阿闍梨尊意(あじゃりそんい)が大分より円明寺の住職として入村した際に寺に植えつけしたのが始まりと伝えられ、江戸時代、明治時代、大正時代には鞆の浦より各地へ運んでその名声を高めていきました。いまでは田尻町内には3000本を超えるあんずの木があるとされ、毎年3月の花の時期には田尻一帯にあんずの花が咲き乱れます。現在では農協からの出荷、契約農家による市内和菓子店への供給等がなされています。 1993年からあんずまつりが住民有志によって始まり、2000年からは町内会連合会が主体的に運営しています。毎年3月末に行われるあんずまつりは近年では各種メディアにとりあげられることが増え、桜より一足早い花見イベントとして県内外より1万人を超える多数の来場のあるイベントとなっています。

住民意識と課題「田尻の未来を考える会」発足

町内5地区の町内会の役員およびそこから選出される連合会役員は輪番制に近く、また1年任期であるために、毎年の決められた行事については運営できるもののの長期的な視野にたった活動を行うことは仕組み上、困難となっています。また、田尻には、花の会、オオムラサキの会、高齢者支援活動グループ、自然海岸の水辺環境観察会等、住民が自主的に行っている任意のまちづくり活動グループが多数存在していますが、これら長期にわたって行われている活動には新しい参加者等が入りづらいのが実態で、諸組織は人材の新規参加や若返りができていません。 そのような状況の中で2016年に立ち上がる「田尻の未来を考える会」では諸活動に取り組む活動主体者、長老、PTA等だけでなく、町内からひろく参加が募られました。これによって、地域づくり活動に取り組んできたベテランと、子育て世代、田尻が好きで移住した若者(独身世帯は地域活動に関与していない)、新規就農者など、既存の諸組織には参加していない世代とが参加しています。 2017年には経済産業省中国経済産業局の地域住民が町のことを話し合い考えるための実証事業「地域アクティブ化カフェ」の実施地域に中国5県内各地のまちづくり活動の中から選定され、住民主体のワークショップを行い、今後の方向性の発表と住民間での共有が図られました。

高齢化と耕作放棄地

これから地域として本当に向き合わなくてはならない問題は高齢化と耕作放棄地の増加への対応問題です。今後見込まれる高齢化はお年寄り個人にとっての問題のみならず、人口減少、地域内のつながりの脆弱化、地域文化・芸能の伝承など様々な問題に直結します。町内会単位では一人暮らし高齢者への定期的な訪問や声かけ、高齢者支援活動グループでは食事会等が企画されていますが十分とは言えない状況です。まちづくり活動の担い手である元気な高齢者がずっと快活に生活できるために定期的な健康チェックや運動の機会提供が期待されています。 とりわけ高齢化による耕作放棄地の増加は深刻な問題です。現在でも耕作放棄地の原因は高齢化と農作の継承が行われないために依るものが殆どです。田尻町には専業農家は少ないものの耕作地の多くは地域の高齢者が担っており、高齢化と同時に耕作地が荒廃していけば地域の生活環境、インフラにも影響を与えかねません。田尻には市街化調整区域も多く農地の転用に制限があり農地は農地として継承されていかなくてはならず、今後さらに大きな問題となっていくかもしれません。 そんな中でも明るい兆しもあります。田尻の環境に惚れ込み、移住してきた新たな就農者があり、彼らは地域から農地を借り受けて農作物を作り福山市内のスーパー等へ出荷を行っています。彼らの活動や「田尻の未来を考える会」が中心に行っている耕作放棄地へのあんずの植樹(いまでは高島小学校卒業生一人1本の植樹が行われている)、桜、オリーブの植樹といった活動が田尻の新しい景色を作っていくことを願っています。

これからの田尻町

新規書き下ろし

田尻音頭

歌詞いれる

田尻あれこれ物語

・田尻の地名物語
・水野勝成湯治物語
・お船入り池物語
・あんず物語
・田尻なんきん物語
(他合計10本程度・各400文字)